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© Copyright Shota Imai

Some people feel the rain,
Others just get wet.

Gallery and Cafe VUCA (新潟)
2022年12月10日-2023年2月5日

この度GALLERY AND CAFE VUCAでは、今井翔太個展「Some people feel the rain. Others just get wet.」を開催いたします。本展は今井のルーツである新潟や留学先のヨーロッパの愛惜を感じる空気感を落とし込んだ写真作品と絵画作品を「雨」の独自の解釈に紐づけて表現した展示となっています。

私たちはなぜ「雨」にネガティブなイメージを持つのでしょうか。自らが望まない状況に陥ったとき人は不幸を感じるものですが、同時に幸不幸のどちらと捉えるかの選択肢も与えられているものです。社会や自身から生じる「雨」の存在をどのように捉え過ごしていくかは自由。これは今井翔太の制作テーマとなっている不条理とその克服に対する心構えの様にも捉えられるのではないでしょうか。絵の具の液垂れを利用した絵画作品は、重力という自然の力に委ねることによって作者の意図から離れたところで、ごく自然な現象として色が画面にのせられていきます。しかしそれに反しキャンバス毎に肌理を変え、液垂れにある程度の人工的な操作も行っています。この2面性が本展のタイトルと呼応しているかのようです。

また本展にて初公開の写真作品には今井の原風景が写し出されています。夢の中から覗いているような遠視感で赤々とした炎でさえも静かに切り取られており、まるで自分の中にあった記憶かのように錯覚してしまうような感覚があります。今井の作品共通で感じる不思議な既視感が写真表現にも表れており、不条理に対する静かな日常が投影されているように思います。

今井の作品が当画廊に並ぶのは昨年11月に行った今井兄弟による「Telu Telu Boy あしたはきっといい天気 展」以来2度目となります。個人の制作にスポットを当てた本展は、Telu Telu Boy というキャラクターアートが生まれるに至った文脈を辿っていくものともいえるでしょう。

 

■️本展出品作品について
私が撮影していた写真は元々作品として意識せず絵画作品の資料として、或いは記憶の欠片として撮影していたものでした。徐々に情景を切り取るという行為が単に資料としての意味合いから乖離し、それ自体が意味を持つようになったことに気付いた時、”作品”になったのだと腑に落ちました。国も地域も様々な情景を切り取っていますが、たとえ私がどこに存在していたとしても、私自身の視点を通した写真の情景は確かに私という存在を認識するものになり得ます。絵画作品では意図せずに色濃く表出してしまう自我が、もっと根源的な部分でも確かに存在すると写真を通して実感した時、何か一抹の安らかな思いが湧き上がりました。

絵画作品は雨や雲それ自体、もしくは内情的なものを表しています。絵画制作に対しての姿勢が「描く」から「創る」に変容した、自分の中で重要な作品であると感じます。「Telu Telu Boy 」の作品制作を通して不条理な事象である天気に対する見方、感じ方、考え方が変わっていったように思います。人間は不条理な出来事に対峙した時、どのように生きていくべきなのでしょうか。世界は不条理でしかなく、人生に意味などないと気付いた時に、どのように生きていくことができるのでしょうか。私は作品制作の過程やそれに生じる思考を通してそのようなことを日々考えています。私にとって絵画作品はその問いに対する自身の思考の過程であり、写真作品はただ存在する日常を認識する手立てなのかもしれません。

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